5月平日山行 竜ヶ岳(標高1,099m、鈴鹿山脈)
開催日: 令和7 年5月14日(水)
体力:★★★ 技術:★★ 危険度:★★
集合場所:クレール平田、現地集合
集合時間:6:00、7:00
【登山口】 遠足尾根登山口
【コースタイム】
7:02 宇賀渓キャンプ場駐車場7:17→7:42 遠足尾根登山口→8:32 岩山展望台→9:46 遠足尾根展望良好→ 10:38避難小屋→
10:57 竜ヶ岳11:51→13:37 金山尾根入口14:04 遠足尾根登山口→14:25 宇賀渓キャンプ場駐車場
【報告】
5月の平日山行として、鈴鹿山脈に位置する竜ヶ岳(標高1,099m)に登りました。三重県いなべ市の宇賀渓キャンプ場を起点とし、登りは「遠足尾根」コース、下山は「金山尾根」コースを通る周回ルートを取りました。
朝は、雲が多く頂上での展望を心配しましたが、徐々に雲がはれ素晴らしい山行でした。駐車場からアスファルトの道を20分ほど行くと遠足尾根の登山口に到着。ほかにも4ー5組のグループがあり抜きつ抜かれつで頂上を目指しました。この時期、遠足尾根沿いにはシロヤシオの白い花や赤や白のつつじがきれいに咲き始めていました。もう少しすると満開を迎え、登山道から一望できるところにまるで“羊の群れ”がたたずむように咲き誇るそうです。参加者みんな写真撮影に大忙しでした。特に陽光を浴びて白く輝くシロヤシオは、まさにこの時期だけの特別な風景でした。さらに高度を上げると、ブナやミズナラといった広葉樹が徐々に疎らになり、登山道は開放的な景観へと変わっていきます。尾根の中腹からは、まるで森林限界を越えたかのような雰囲気が漂い始め、常緑の低木や草原状の植生が広がるエリアに入ります。このあたりからは竜ヶ岳の山頂が目前に見え、空と大地だけが広がる風景が印象的でした。鈴鹿の中でも特に竜ヶ岳のこの植生遷移は特徴的であり、自然環境の多様性を感じさせます。
また、登山途中の地質の変化も印象的でした。登り始めは花崗岩が多く見られましたが、標高を上げるにつれて地層が変化し、山頂付近では白っぽい石灰岩が露出し始めます。この石灰岩帯では足元にカルスト地形の名残も見られ、鈴鹿山脈特有の地質の多様さを感じることができました。途中登山道の整備をしていただいている方にも出会いました。実によく整備されたすばらしい山です。
途中休憩をいれながら、約4時間の登りで6人全員無事に竜ヶ岳山頂に到着。山頂は遮るもののない広大な草原で、360度の展望が楽しめました。春霞の中にうっすらと伊勢湾がかすかに見え、藤原岳など他の鈴鹿山脈の姿も確認でき、風も穏やかで絶好の昼食日和でした。食後は金山尾根から下山。こちらはやや急な下り坂が続くルートで枯葉が多いところでは滑りやすく木漏れ日の中を慎重に歩き午後3時前には宇賀渓に無事戻りました。
今回の山行では、春の竜ヶ岳ならではの自然の変化を存分に感じることができました。特にシロヤシオの群生と標高とともに変化する植生、森林限界を思わせる開放的な尾根、そして地質の変化は、歩く者を飽きさせない多彩な魅力にあふれていました。
鈴鹿山脈の中でも、竜ヶ岳は初心者から経験者まで楽しめる好ルートであり、花・地形・展望の三拍子そろった名峰であることを再認識しました。今後も安全に留意しながら、豊かな自然を感じる山行を継続していきたいと思います。
【参加者】 杉本 好江(CL) 日比野 容子、井上 美智子、園部 徹、永島 慎三、纐纈 守 計6名
【ヒヤリハット】枯葉がかなりあり地下茎や岩が滑りやすいところもあるので特に下山時は注意が必要
【記録者】纐纈 守