2022/10/22-23 50周年記念事業

日本山岳会岐阜支部50周年記念事業報告文書

2022年10月23日24日の日・月日本山岳会岐阜支部の50周年記念事業を執り行いましたのでご報告いたします。

今回の記念事業を行うにあたり、 実行委員会が多くの困難に直面しました。2年前に実行委員会が発足した当時は、折しもコロナ感染禍の真っ只中であり、事業を実施するべきかどうかからの出発でした。 岐阜支部の伝統か実行委員が楽観的であったため、2年後に感染症が収まっているとの仮定のもと50周年記念事業はフルセットで実施する方向で調整を進めていきました。 同時に、我々はホスピタリティを最優先とし、式典中心ではなく参加をして頂く全員が「楽しむ会」を作り上げることを目的にプログラムを固めていきました。準備段階では30-40名程度の参加者で計算をしておりましたが、蓋を開ければ全体で100名近くの方々に事業にご参加いただきました。多く皆様にお集まりいただき、予定した全てのプログラムを難しい状況下で完遂でき、まさに感無量です。

さて、23日は13時から受付を開始。まずは50周年の式典として、岐阜支部 支部長 高木 基揚の挨拶から始まり、ご来賓のご紹介・ご挨拶を経て、副支部長 堀 義博より「岐阜支部50年の歩み」を説明させていただきました。 ご来賓には、本会より古野会長・橋本副会長・萩原常務理事にご参加を頂きいております。誠にありがとうございました。ご挨拶の中でお話いただいた古野会長の 56豪雪時の別山・白山登山は、我々の“近所”の山への冒険心を改めて沸き立たせるものでした。また50周年の歩みから、「岐阜支部と山と酒」の深い縁を学ぶことができ、破天荒であったであろう偉大なる先達者の背中を垣間見ることができました。

式典後は岐阜支部の毎年恒例の公事業である「山岳講演会」に移行しました。講演者にはご来賓でもある萩原常務理事をお招きし、タイトルもずばり「岐阜県の山の魅力~笠ヶ岳に学んだこと~」としてお話をいただきました。 本講演会は一般の市民にも公開し、150名もの方々にご参加いただきました。 萩原編集長が若き日に通った数々の笠ヶ岳バリエーションルートの話に惹きつけられます。岐阜県単独の最高峰・笠ヶ岳、急登だが整備の行き届いた笠新道の登山と穴毛谷を始めとしたバリエーションへのアタックの比較に、現代登山へのアンチテーゼを感じながら冒険心と探求心を掻き立てられる素晴らしい講演会でした。

その後は祝賀会、「皆で集まり、酒を呑んで語り、唄うこと」を中心に構成しました。ご祝儀でいただいた各地の日本酒を開封し歓談。途中から歌手のリピート山中氏をゲストとしてお招きし、その演奏のもと、岐阜支部の作った記念品である歌集を用いて全員で大合唱。楽しい祝賀会となりました。山屋には「酒」と「唄」が必須の装備であることを思い知らされたのでした。

2次会高山郷土料理居酒屋「あじ平」にて。料理も美味しくリーズナブルで高山ご訪問の際はお勧めです。リピート山中氏もご参加いただき、演奏会は大合唱会にかわり、最後にはダンスにまで発展する始末。ハメを外し過ぎたところもあったかもしれませんが、私は既に潰れていたためあまり記憶が残っていないことにしてください。

翌日24日は記念登山。8時半に猪臥山に向けて出発しました。猪臥山は1519.1 M 二等三角点を有する展望の山。天候に恵まれれば山頂からは360°の展望が開け、北アルプス始め白山・乗鞍・御嶽など名だたる岐阜の峰々の姿を楽しむことができます。当日のお天気は良かったものの、高い山には雲がかかっていたため北アルプスなどの姿を拝むことはできませんでしたが、岐阜を取り巻く低山と、高山・古川の町並みを楽しむことができました。「参加者全員が山頂まで行くこと」を目的とし、「登山チーム」と山頂直下まで車であがる「らくらくチーム」を用意。参加者全員が山頂に立つことができ、60人近くの会員で溢れかえることとなりました。ご来賓の日本山岳会ビッグ3 / 会長・副会長・常務理事は、参加された皆さんや一般の方々からの記念撮影の要望に応えるのにご多忙のご様子。山頂では再びリピート山中氏のミニ・コンサートが開かれ、弁当をつまみながら、山の頂にて山を見ながら山の唄を唄うという贅沢な時間。美しく色づく麓の木々、高山の街に向かう風にのった霧雨の中に幻想的な虹を見つけ、楽しい登山は全員の無事な下山をもって完了いたしました。

ホテルにもどり、準備を含め長きに渡った岐阜支部の50周年記念事業はすべて終了致しました。価値観を共にする仲間と時間をすごし、雄大なる山に登り・語り・呑み・唄うことが如何に大切かを再認識し、日本山岳会への帰属意識を強くした2日間でした。ご参加いただきました皆様方、誠にありがとうございました。またご多忙の中、ご参加いただきましたご来賓の皆様に、心より感謝いたします。50年を経て、岐阜支部はさらなる発展に向けて活動を続けていく所存です。それが日本山岳会全体への貢献につながれば大変幸せであると感じます。


2022年10月22日